【禁酒法とワインについて】

かつて、アメリカには「禁酒法」という、
悪名高い法律が有りました。
これは、1920~1933年にかけて施行された法律で、
ワイン、ウィスキー、ブランデーなど、
アルコール度数の高い飲み物の流通を、
原則として禁止するという物であり、
この時代、アメリカでは、
アルコール飲料を飲む事が、違法とされたのです。
何故、このような法律が施行されたのかについては、諸説有りますが、
元々、イギリスから渡って来た、敬虔なピューリタン(清教徒)が建国したアメリカという国において、
アルコールを敵視する風潮が根強く有った、
という事も、重要な要因の一つだと言われています。
ともあれ、「禁酒法」が施行された事により、人々は、お酒をたのしむという事が出来なくなったわけですが、
実際は、この「禁酒法」は、とんでもないザル法でした。
アメリカ中の至る所に、「もぐり酒場」という、警察の目を逃れて営業する店が存在し、
また、酒の密売が、マフィアの大きな資金源になってしまった、というのも、有名な話です。
こうして、人々の悪評のみを買い続けた「禁酒法」は、結局は廃止に追い込まれますが、
「禁酒法」が施行されたせいで、
アメリカ産のワイン(主にカリフォルニア・ワイン)が、壊滅的な打撃を受けた、というのも、また事実です。
アメリカ産のワインの生産は、
その後は、飛躍的な伸びを見せましたが、
「禁酒法」の時代に、その発展がだいぶ遅れてしまった、というのは、否めないところです。
歴史にifは無いとは言いますが、
もし、「禁酒法」が無ければ、
アメリカ産のワインは、もっと早く、世界を席巻していたかもしれません。
そういう意味では、「禁酒法」の時代というのも、
ワインの歴史を語るにおいて、不可欠な出来事だったと言えるでしょう。